プロ4名が語り合う!リフォームのプロが追求する「キッチン設計のこだわり」と事例【座談会・連載第3弾】
建材トレンドでは、女性設計者4名にご参加いただき、2025年10月15日にオンラインでキッチンについてざっくばらんに話してもらう座談会を開催しました。

各出演者のキッチン事例の紹介と、キッチンの選び方・提案方法、理想のキッチンとは?といったテーマで内容を全6回の予定でご紹介していきます!
キッチン座談会第3回は、かなえハウスの日高香苗さんの事例をご紹介します。
※座談会ですが、事例紹介パートでは主に設計者ご本人が語られています。
―――まずはご自身の事例について簡単に教えていただけませんか。
日高:私は皆さんと違って、使っているのがほぼタカラスタンダードなんです。
これはレミューの最上位グレードのキッチン事例ですが、このお宅は戸建ての1階で、たまたまこういうふうに対面にできた、耐力壁じゃなくて壁を抜けたという珍しいパターンです。
―――この小窓の奥はなにがあるんですか?
日高:これは海外メーカーのルーバーの内窓で、開けると普通の引き違い窓があります。ほぼほぼ開けはしないけど、引き違いの窓を隠したかったんですね。そして、中央にあるタカラのアイランドキッチンに合わせて、収納関係はうちで造作しました。
寸法を決めてアイカ工業にメラミンの扉を頼んで、箱はポリランバーでつくりました。
天板は同じくアイカのフィオレストーンという人造大理石で、タカラのクオーツストーンというアイランドキッチンの天板とよく似ています。
ちょっとキラキラしてて、高級感があって私も好きなんですが、元々お客様がこの天板を選んでこられて、そこから周りの収納の造作に至りました。こんなふうに収納を造作するパターンは多いです。
―――こちらは、どういったお施主様なんでしょうか?
日高:普段は50代後半のご夫婦お二人でお住まいで、別に暮らす娘さんや息子さんなどがみんなが集まって、ここでお酒を飲んだりするのが好きっていうお宅ですね。
―――やっぱり!大人な雰囲気の空間だと思いました。
日高:普通の昔よくあった分譲の家を、大人な感じにさせてもらった感じですね。普段からカウンター的に座って使われています。
皆さんの事例を見てると、すごい内装にこだわってるというか、クロスもタイルもすごいお洒落なので、非常に勉強になるなと思っています。
タカラだとホーローのキッチンパネルがいいっていうお客様が来られるので、それになりがちなんですけど、最近やっぱりタイルがいいなって思っていて。
ここはたまたまバーみたいな感じにしたいっていうことで、後ろにエコカラットを貼っていますね。
―――このカウンター、アイカの商品でつくられたんですか?
日高:昔、柱があってどうしてもアイランドキッチンにできないお家があったんですよ。そこで、タカラの天板と似たような商品がないかなって、アイカのカウンターカタログを見ていたら、フィオレストーンとそっくりな商品を発見したんです。
それで、柱を挟むように2つの天板を合体させてアイランドキッチンをつくったんです。1本細い目地は通っちゃうんですけど。そうすれば好きな形のカウンターにできる。この事例でもビールサーバー置くところだけ大きくしていたりします。
タカラのメラミンの扉もアイカで似たものがあります。だから、揃えてカップボードをつくろうと思えばつくれちゃう。
夕部:メーカーさん、品番とか絶対教えてくれないんですよね。
日高:だから、自分でサンプルを持っていって色を合わせてやる。微妙な色だと難しいです。
―――それができちゃうから、タカラを使っちゃいますね。
日高:そうね。これが別メーカーになったらちょっと辛いかもしんない。
―――他にタカラのキッチンを推している理由はなんですか?
日高:タカラを推しているのは、最終的にタカラに行き着いたっていうのが正確なところです。私は23歳の時から住宅の設計・施工をしていて、各メーカーのキッチンを使ってきたんですよね。
昔は扉の質もあまり良くなくて、面材がめくれて剥がれてきたりするわけです。それがすごい嫌で、何とかならないかなと思っていたら、タカラのホーローは絶対剥がれないんです。
それから十数年間ずっとタカラを推しているわけです。
―――タカラのキッチンを扱われている会社さんだということで、それでいらっしゃるお客さんもいそうですよね。
日高:そうなんですよね、タカラのショールームからの紹介も多いし、使い始めるとタカラばかりになっちゃってという感じです。他のメーカーがいいっていう方には他のも使うんですけど、特にないっていう方には、良く知っているから勧めちゃうかな。
先に事例を見せてもらった方々の話を聞いて、やっぱりLIXILとかもデザイン性がすごく良かったり、最先端を行ってたりとかするので、トータルで格好良くやるには、色んなメーカーを使うのもありだなって思いました。
夕部:実は私も最近タカラが好きで、結構推しています。採用できるかどうか、価格的なところはあるんですけど、なんだか最近、タカラさんはデザインで一番頑張っているなって思います。ホーローパネルがあるのに、展示場はタイルにしてみたりだとか、洗面になるんですけど、IKEAの洗面鏡を使ってみたりだとか、そういう空間提案をすごくしている。扉も全然ホーロー感なくておしゃれですからね。
日高:そう、最近は他のメーカーも見て、最終的にタカラに戻ってくるお客さんが結構いる。そうすると価値観が合うというか、話が合うというか、ぶれなくなるのでやりやすいですね。
―――先ほどご説明いただいた、2つの天板を組み合わせた事例を以前掲載したことがあり、当時のデータが出てきました。日高さん、改めて手法とご苦労されたことを教えていただけませんか。

日高:この2つの壁というか、柱が取れなかったのですが、お施主様はタカラのショールームに入ってすぐのとこにあった、対面キッチンがいいっておっしゃって。予算はあったので、なんとかしてあげたいと考えました。
これ、向こう側には普通のキッチンを据え付けて、ダイニング側は、それこそアイカのメラミン面材で扉はつくって、カウンターをフィオレストーンの似た柄でつくって差し込みました。
旦那と2人で持って、ずずずずっと差し込んでいきました。本当に1ミリも狂いがないように、高さを微妙に調整しながら合体するっていうのが1番苦労しました。壁は若干傷つけて、クロス屋さんにもう1回張ってもらいました。
この柱の形とかもギザギザに書いた状態で、アイカにカウンターをつくってもらうんですよ。値が張るし間違って切れないから、ドキドキがすごかったです。
―――この前のガードも?
日高:お料理しながらテレビを見たいっていうことで、支障のない範囲で柱に窓をくり抜いたんです。そこにタカラ製の油ハネガードのガラスを無理やり付けました。
キッチン施工の職人さんは、付けられないって言うから、うちで硬い天板になんとか穴を開けて固定しました。なんでもやればできるかなっていう感じです。